プロダクト開発のこれから:行動をデザインする

プロダクト開発のこれから:行動をデザインする

本日は「プロダクト開発のこれから」についてです。

まず、まとめます。プロダクト開発フェーズを後にするケースが増えています。なぜか。その理由について、大きく3つの側面から分析しています。側面は「事例・根拠・応用」でわけています。

従来のモデル崩壊

結論:従来のモデルが崩壊

スタートアップや新規ビジネスをサポートし続けて、18年目になりました。その過程で感じている変化をヒトコトでいうと…

サービスに、すべて統合

と表現できます。何が統合されたかというと、マーケティングもセールスも、プロダクトもサポートも、すべてを「ひとつ」として考えるような流れ、ということです。

今でも、VCやアクセラレーターのプログラムでは、すべてをモジュール別にわけて説明していると思います。それが間違っているということではありません。

モジュールをつなげる。ビジネスを統合的に評価し、全体を同時に実行する。

そんな起業家が増えている印象です。

よって、今までのシリコンバレー式のような、プロダクトに集中して… 資金調達はこうやって… というモデルが崩壊している気もします。

コロナトリガーがアクセラレーター。かもしれません。

今、エシカルワークスでも「アプリ起業・自動化」プロジェクトということで、新規ビジネスを立ち上げています。この取り組みを通して、仮説を検証している側面があります。

プロダクトは後で

事例:プロダクトは後回し

ここからが、面白いところです。

今、アメリカでも日本でも、成功者と呼ばれる人たちのアプローチに、似た変化が観察されています。変化というより、進化です。

例えば、コーチやコンサル

スタートアップ式をとりいれ、改良しています。今まで、この業界はリストを買って、集めて、使い倒して、自称カリスマ式マーケティングを強行してきた。そんな、きらいがあります。

執拗なプロダクト・ローンチや、過去の寄せ集めコンテンツを「数百万円相当の特典」といってつけまくっている例も、多々ありました。

強引で持続可能性の低い、情報ビジネスが横行していた印象すらあります。

アメリカや日本の、先進的なアプローチは、すでにその先です。商品をつくるのは、ずーっと後。タイミング的には、マーケットリサーチや実証実験の後なんです。

オンライン商材というのは、つくりやすいので、直感に反するかも知れません。しかし、彼らが最近とっているのは、そういうアプローチです。

彼らのアプローチを、もう少し詳しく分析すると、こんなプロセスにまとめられます。

成功しているモデルケース

オーディエンス、ファン、そしてコミュニティ。そのステップの先にプロトタイプ検証があり、フィードバックをもとに、プロダクトを開発していく。プロセスとしては長くなりました。

もう少し、わかりやすくします。

コーチやコンサルタントを対象とした、サービスの場合です。以下は、コロナで対面のコーチングやコンサルティングを提供できなくなった人たちへのサービスを想定しています。

はじめに、オーディエンスに(オンラインに移行するための)情報を提供する。オーディエンスの一部が、情報と情報提供者のファンになる。ファンがコミュニティに参加する。

次に、コミュニティ内で、ビデオ撮影の練習や、オンラインで話す恐怖を乗り越えていく。コミュニティ内で、新しいコンテンツやコースのモニターとなる。そのフィードバックをリアルタイムに提供する。

どちらにとってもアウトプットがあり、最終的なアウトカムも明確。そうやって、ビジネス全体がシステムとして、まわっていく。

これは、ビジネス提供側のリスクを下げるだけでなく、ユーザーにもメリットがあります。

まず、変なプロダクトやサービスに課金しなくなっていきます。これは、とても大きいです。なぜなら、今だけのディスカウントとか、潜在意識への黒いアプローチを回避できます。

そして、良質なコンテンツや、自分にあったサービスを選べるようになってきています。

さらに、このアプローチのよいところは、ユーザーに行動を起こしてもらえるようにする「プロセス」です。行動変容のための、デザインとプロセスがしっかりしています。

すべてをデザイン

根拠:行動変容のデザイン

オライリーという、エンジニア向けの専門書に「行動を変えるデザイン」という本があります。

この本は、心理学と行動経済学をプロダクトに活用することがテーマです。筆者も今研究中なのですが、その本の第三部(p.181〜)に、興味深いことが書かれています。

コンセプト・デザインのチャプターに、こう書かれています。

デザインプロセスの目的は、行動を起こす文脈をつくり出すことだ

文脈の骨子は、こうです。

行動デザインと文脈の構築

行動を構造化し、環境を構築し、ユーザー自身を準備する。これは文脈であり、前提条件です。つまり、文脈には「ユーザー・環境・行動」が含まれているので、それを整える、ということです。

もっと、シンプルにします。

徐々に行動できるよう、道筋をたてる。道筋をたどれるよう、環境を整える。環境に入れるよう、ユーザーの「ウォームアップ」をサポートする。

いかがでしょうか?

先ほどご紹介した、成功者のアプローチにソックリではないでしょうか。コンテント・マーケティングの意図も、売り込みではなく「ちゃんと、つながる」ことになっています。

SaaSの場合も同じで、とにかく「課金させる」ためのマーケティングは行わないということです。ということは、プロダクトに集中していられない時代になった、といえます。

そもそも、プロダクトはサービスやユーザー含めた生態系と、切り離して考えられません。

応用プロジェクト

応用:プロジェクトに適用

では、具体的なプロジェクトで考えてみます。

応用の例は、次のようなイメージです。

コンテンツ、コミュニティ、サービスの順番で設計し、プロダクトは後

例えば、ノーコード自動化。ミッションは、精神的な苦痛をともなう「クソ仕事」からの解放と、個々人にあったビジネスができる環境構築。

そういう設定だとします。

もし、ここで「自動化プロダクト」をいきなり開発するとどうなるでしょうか。その場合、起業家の仮説はこうです。

Zapierがあるし、Parabolaもあるし、Integromatもある。国産のAnyflowも資金調達した。だからタイムマシーンで日本も流行る。RPAだってそうだった。

これは、モノづくり視点にマクロな仮説を根拠として「くっつけた」だけです。

もう、これだとうまくいきません。

じゃあ、少ない予算と期間で全部やれっていうの?

という意見があるかも知れません。端的には「そうです」というしかありません。しかし、前述のようにプロダクト開発をずーっと後の「石」にしたらどうなるでしょうか?

マーケティングもコンテンツもサービスの「部分」です。サービスをデザインする過程で、プロダクトが必要になってくる。そこで、開発すればよい、ということです。

まとめると、次のようなイメージです。

自動化ビジネスへの応用

個人的には、資金調達して、PMF目指して一直線… というモデルはもう古い。そう感じます。

これは事実ですが、ノーコード自動化コンサルティングをビジネスにしている世界の人々は、まだまだぜんぜん、成功していません。打率一割あれば、よい方ではないかと思います。

(閉じたコミュニティの情報なので、ソース元は出せませんが…)

ということは、ノーコード自動化そのものは、まだまだアーリアダプターの領域なのです。

以前、ノーコードのマーケット情報を分析して記事にしましたが、一次ピーク(広く認知されるタイミング)は2023年あたりになろうかと思います。

そのタイミングが、おそらく、DXというバズワードに対する、いったんの結論が出るポイントともいえます。ただし、あくまで筆者の分析と未来構想なので、ご注意ください。

話を戻すと、受託も、コンサルも、プロダクトも、まだまだ行動を起こすには弱い。ということです。そうなると、他のアプローチをするほうが賢明です。

こういうことは、プレ・コロナ(コロナ前)のモデルでは解決できないわけですから、自分で知恵を絞るしかありません。それがVUCAですよね!

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