ワークフロー自動化の失敗:正直な分析と改善提案

ワークフロー自動化の失敗:正直な分析と改善提案

自動化といってもイロイロあるけど、いったい何が自動化できるんですか?

この問いは、今週エシカルワークスのパートナーが知人から受け取った疑問です。自動化について話していた時に出てきた疑問だそうです。

読者の皆さんにとって自動化とは何でしょうか?自動化と聞くと、何を思い浮かべますか?

ウェブサイトとブログによる24時間稼働のマーケティングでしょうか。それとも、ステップメールと呼ばれる自動化されたメール配信営業システムでしょうか。もしくは、人工知能とRPAによって高度に設定されたロボットによる作業でしょうか。

本記事では、自動化とは何か、これまで自動化が失敗しがちだった理由、これから自動化する際の注意ポイントを検討します。

この記事でわかること

  1. なぜ今までの自動化は失敗したか
  2. クラウドが自動化の重要ポイント
  3. 結局何をどう自動化すればよいか

クラウド自動化のメリット

  • リモートワークのタスクを自動化
  • エラーで止まることがあまりない
  • 複数のクラウドツールを連携可能

そもそも自動化とはなにか

本記事でいう自動化とは主に「ワークフロー」と「ビジネス・プロセス」の2つを指します。

この文脈でいう自動化ポイントは個々人で変わってきます。すべての仕事が同じであるはずがないからです。つまり、冒頭の質問に対する直接的な回答は、次のようになります。

どんな目的で何を自動化したいですか?

ビッグデータ、人工知能、DX… そういったテクノロジーに引っ張られるように手段やカタチから入ってきた私たちにとって、自動化に伴う自己分析はチャレンジです。そしてこのチャレンジは初期投資として長期的なリターンをもたらします。

とはいえ、業務分析(自己分析)に多額の資金を投入しRPAを導入したものの、メチャメチャ手がかかって逆にキツイ… という事例も多く聞きます。これでは投資失敗です。

前回「カーム・テクノロジー」という記事でも取り上げましたが、今はテクノロジーに人間が振り回されており、自動化の利益を上手に受け取っているとはいい難い側面があります。

筆者は「そもそも自動化とはなにか」という問いに以下のように答えています。

私たちがブルシット・ジョブ(無意味な仕事)から解放されるためのテクノロジー活用です。

opbsj.jpg

自動化が失敗してきた理由

無意味な仕事からの解放。現代版「出エジプト」といってもいいトピックです。

先程、私たちはテクノロジーに引っ張られ、テクノロジーに振り回され、自動化の利益を受け取れていないと述べました。これを自動化の失敗としますと、その原因を突き止める必要があります。

以下、リアル事例をアレンジした失敗例(フィクション)を2つ挙げます。

事例A:RPA導入における失敗

2018年、東京ビッグサイトで開催されたテック系イベントでRPAのデモを確認。複数社に問い合わせ、情シスと共に慎重に検討し、導入へ。バックオフィス業務を自動化すべく、普段のルーティンワークを画面ベースでロボットに記憶させたが、Windowsのアップデートや予期せぬダイアログによって毎日のように止まってしまう。2020年現在、結局手作業と再設定を繰り返す毎日。

failure1.png

事例B:マーケティング関連の失敗

コーチングを情報商材として販売すべく、ウェブサイトを開設。リストを買ってメールマガジンを大量に配信。Twitterでは大量のアカウントをフォローしてはフォローを外す。Instagramでは、自動化ツールを2種類使って、フォロワー増やしと「イイね」増やしを毎日実施。大量の「イイね」を稼ぐことに成功。ところが、メールもツールもスパム判定されてしまう。大量のフォロワーや「イイね」もほとんど収益とは無関係。今、AIによるお問合せフォームへの自動配信を検討中。

failure2.png

実はこれらの事例、業界「超あるある」といっても過言ではありません。これら取り組みが失敗してきた理由は何でしょうか。

筆者は「自動化が失敗してきた理由」について以下のように考えます。

私たちが誰のための自動化かをよく検討せず、また自動化の事前準備をしてこなかったからです。

自動化の成功要因とは何か

自動化の成功要因。それは、顧客と自身(従業員)両方のメリットを考慮したテクノロジー活用です。

もう少し具体的にいうと、クラウドとリアルを両方同時に整理しながら自動化することです。ただし、これも人、業種、環境によって異なります。あくまで「ひとつの考え方」として理解いただければ幸いです。

というのは、自動化ポイントは採用ツール同様、均一的なものではないので、具体的な回答といっても、マーケティングではウェブサイトとHubSpotの連携とか、プロジェクト管理であればTrelloとSlackの連携とか、そういったサンプルになってしまいがちです。エンタープライズ領域ではOffice 365とSalesforce.comの連携もよく取り上げられる例です。

integration.png

筆者もIntegromatとノーコードを活用した自動化コンサルティング・サービスを提供していますが、正直(自分がつくって説明してきた)汎用サンプルほど役立たないものはない… と最近痛感しています。どうしてもツールや手段の紹介になってしまいがちなのです。

automation.png

注意すべきは、手段から入っていくと前述の失敗と同じことを繰り返すという点です。

何においても順番が大切です。考え方としては、四方良しのサービス・デザインと考えるとわかりやすいです。サービス・デザインをヒトコトで説明すると「ステークホルダー全員の体験向上」となり、顧客と従業員、およびその他関係者・環境が対象となります。

筆者は「自動化の成功要因」について以下のように考えます。

私たちはステークホルダーのメリットや体験向上を考えて自動化を設計しているだろうか?

まずは繰り返しタスクから

例えば「顧客からのリクエストに対する素早い情報提供」がよい例です。この課題を解決すると、ステークホルダー全員にメリットがあります。

今まではウェブサイトの問い合わせフォームからの回答に3営業日かかっていたとします。返信がそこまで遅いと訪問者は質問したことすら忘れてしまうでしょうし、欲求は満たされません。むしろ、情報や価格がウェブサイトに明記されている他社と取引している可能性があります。

このケースにおける自動化ポイントは、クラウド活用とワークフローの見直しを同時に行うことです。もっというと「改善即実装」が成功要因です。

重要なのは、クラウド化だ!自動化だ!ワークフローの見直しだ!といって、AIチャットボットという解にはならないということです。それが過去の失敗でした。

success.png

ハッキリいって、筆者のようなテクノロジー・コンサルタントやセールス・パーソンは自動化にAIチャットボットやRPAをガンガン勧めてくるでしょう。しかし、その提案に飲まれてはいけないのです。

むしろ「本当にそこを自動化する必要ありますか?」という質問や「自動化の目的、現状と理想のギャップを教えてください」といったぜんぜんクールでもセクシーでもない、時にイライラする返答のほうが信頼度は高いです。

(ということは、筆者がいきなりIntegromatを勧めたら断っていいということです!)

このケースにおけるポイントは、価格や課題解決に関するオープンな情報の充実、問い合わせ業務の一元管理と一部フローの自動化です。以下に例をあげます。

  • 動画やテキストによる情報の充実
  • フォーム、チャットデータの集約
  • 資料送付の自動化とタスクの発行

ここで筆者が使うツールは、問い合わせデータの集約にHubSpot、資料送付とタスク発行の自動化にG Suite、IntegromatClickUpを使います。G Suite以外はすべて無料で開始可能です。

上記のような自動化は、マーケター、コンサルタント、プロダクトやソリューションを販売する企業などにとって少しずつ導入できるポイントです。一度にガーン!とではなく様子を見ながら少しずつがオススメです。

これからは、自動化ツールの話が出たら「ステークホルダー全員にメリットがあるだろうか?」と確認しつつ選定してください。ノーコードやローコードで市民開発者だから誰でもうまくやれるということもないので、検討と準備はとても大切です。

We Can Help You!

お問い合わせ、ご相談、お待ちしております。